不妊治療で扱われる鍼灸治療は、精神的な負担や副作用をほぼなくして、ホルモンバランスを整えたり、受精卵の着床を助けたりする効果があると近年人気を博しています。
鍼灸治療には、効果を発揮できるタイミングがあります。
より効果を得るためには、生理周期を参考に、各周期のタイミングにあわせて異なる作用のある鍼灸治療を行う必要があります。
この記事では、不妊治療に効果的な鍼灸治療のタイミング等について詳しく解説します。
鍼灸治療のタイミングは生理周期のどの過程が問題かで決まる
生理周期の各時期に応じて、適切な鍼灸治療を行うことで、子宮環境や卵子の質が良くなり、妊娠確率の上昇が期待できます。
月経期には子宮内をきれいにするための治療を行う
月経期では、子宮内膜の排出、つまり子宮内をきれいにするための鍼灸治療を行います。子宮内膜とは、妊娠した際の赤ちゃんのベッドとなりますが、妊娠していない状態では、このベッドは不要となります。
月経期には不要となったベッドを外に排出しなければなりません。ベッドを外に排出し、子宮内膜をきれいにすることで、次の妊娠に向けて新しいベッドが用意できます。
卵胞期には卵胞の成長と子宮内膜の肥厚を促進するための治療を行う
卵胞期では、卵胞の成長と子宮内膜の肥厚を促進するための鍼灸治療を行います。卵胞とは、卵子を包む袋のことで、質の良い卵子を育てるためには卵胞を成長させなければなりません。質の良い卵子を育てることは、その後の妊娠経過に大きな影響を及ぼします。
したがって、赤ちゃんが順調に育つためには、卵胞が良い状態で成長することがとても重要となります。あわせて、卵子が着床しやすい子宮内膜、すなわち良質なベッドを作ることも大事なポイントです。良質なベッドとは、厚みのあるふかふかな状態を指します。
排卵期には排卵を促すための治療を行う
排卵期には、排卵を促すために鍼灸治療を行います。妊娠を成立させるには、第一条件として、排卵が行われている必要があります。排卵がうまく起こらないことを原因として不妊症となっている方も多くいらっしゃることでしょう。そのため、妊娠するためには、排卵期の鍼灸治療が非常に効果的になる場合もあります。
黄体期には体温を維持するための治療を行う
黄体期とは、高温期とも呼ばれ、基礎体温がおおよそ37℃を維持する期間のことをいいます。妊娠が成立するためには、高温期が少なくとも10日以上は続く必要があります。黄体期には、体温が高温であるのを維持するための治療が行われるのです。
妊娠陽性反応後には妊娠を維持するための治療を行う
妊娠陽性反応が出た後は、流産を防止し、妊娠を維持するために鍼灸治療を行います。具体的には、悪阻を軽減や、逆子を予防する効果があります。
ひとくちに不妊症といっても、その原因は人それぞれです。自分にあった、鍼灸治療のタイミングを知ることで、効率的に妊娠の確率を上げられます。
不妊治療としての鍼灸治療を考え始めるのはこのタイミング
不妊治療として鍼灸治療を行うことは、まだあまり認知されていないのが現状です。鍼灸治療を始める前に、他の不妊治療を試されたことがある方も多いでしょう。鍼灸治療は、別の不妊治療を行っている際も併用できます。したがって、不妊症に対する鍼灸治療は、その存在を知ったときが始めるタイミングといえるでしょう。
妊娠しやすい身体を作りたいと思ったら
妊娠するための準備として、まずは健康的な身体作りが必要です。女性に多い悩みとして、冷え性や自律神経の乱れなどありますが、これらは妊娠のさまざまな過程で影響を及ぼします。
不妊治療で行う鍼灸治療は、その人個人にあわせて行われます。冷え症がひどい方には、血流を促進する鍼灸治療、各月経周期で問題がある方には、その周期にあった目的の鍼灸治療が必要になります。個人の問題にあった鍼灸治療を行うことで、身体の調子を整え、妊娠しやすい身体を作れます。
不妊治療の副作用がつらいとき
不妊治療では、使用する薬や施術によって、副作用が強く出てしまう場合も少なくありません。
鍼灸治療は、身体的な副作用や精神的ストレスが非常に少ない治療法です。他の不妊治療で副作用がつらく、悩まれている方には、副作用がほぼない鍼灸治療をおすすめします。
まとめ
鍼灸治療は、近年注目を集めている不妊治療です。「一度試してみたいけれど、始めるタイミングがわからない」とお困りの方も多くいらっしゃることでしょう。
不妊治療における鍼灸治療は、個人の不妊症の原因によって、適切なタイミングは異なります。自身にあったタイミングを知り、身体の調子を整えることで、鍼灸治療の大きな効果が得られます。
「くすえだ鍼灸院」では、個人にあわせた鍼灸治療を行っています。他の不妊治療で副作用がつらいと感じる方や、違う方法を試してみたいとお考えの方は、一度「くすえだ鍼灸院」にご相談くださいませ。
